秋田県の北部を東西に流れる米代川は、岩手県安代町田山の山の中から流れていて、しだいに大きな流れとなり、鹿角盆地【かづのぼんち】、大館盆地、鷹巣盆地、能代海岸平野を通って日本海に注いでいます。
全長【全部の長さ】136キロ、領域面積【流れている広さ】4,099平方キロ、全国河川ランクからみれば長さでは、30位、流れている土地の広さでは14位です。
上、中流にある鹿角、大館、鷹巣の三盆地は、地形発達史の上からは、『湖盆地』といわれているが、高度は鷹巣で約30メートル、大館で60メートル、毛馬内では130メートルとだんだん段階のようになってならんでいます。
米代川は昔、米白川という字を多く使っていました。その由来については、鹿角郡の代表的な伝説『ダンブリ長者』の中に伝えられています。ここではその話は載せませんが、ともかく米代川【米白川】という川の名前は、文句なく佳名【すばらしい名前】といえるのであって、後の世で米作地帯として歴史のぶたいに登場する下三郡の【しもさんぐん】の平地を豊かに流れる大川にふさわしい名前であります。
米代川の流れはまた、川ぞいの小学校の校歌によく歌われています。
この川の美しさ、清らかさは、決して変わらないだろうというのが、その当時の校歌を作った人々の考えであったと思います。舟のりのお話によると昔は川の生水を飲み水にしたということです。上りほかけ舟はよく風待ちのため舟場にとどまって、川の水を使ったそうです。